コラム
忙しい共働き世帯に多い「脂肪肝」って?
健康診断で「脂肪肝の疑い」と指摘されたことはありませんか?
特に症状がないため、放置してしまう方も多いのですが、脂肪肝は将来的に“肝炎”や“肝硬変”など、重大な病気につながる可能性がある状態です。

脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓に脂肪(中性脂肪)がたまってしまっている状態です。
肝臓は体の中で「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出にくいのが特徴です。
そのため、脂肪肝も気づかないまま進行してしまうことがあります。
最近では、お酒をあまり飲まない人にも脂肪肝が増えていることがわかっています。
これは「代謝異常関連脂肪性肝疾患:MASLD(旧 非アルコール性脂肪肝:NAFLD)」と呼ばれ、生活習慣の乱れやストレスなどが主な原因です。
共働き世帯に脂肪肝が多い理由
共働きで忙しい日々を送っていると、以下のような要因が重なりやすくなります。
食生活の乱れ
コンビニ食・外食・お惣菜が中心になり、脂質や糖質が過剰に。
運動不足
仕事や家事、育児で手一杯。運動の時間が取れない。
ストレスの蓄積
ストレスがホルモンバランスに影響し、脂肪をためこみやすい体に。
「晩酌くらいが楽しみ」な生活
夕食後のアルコールが習慣化してしまう。
これらが積み重なると、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなり、自覚のないまま脂肪肝になってしまうのです。


放置するとどうなる?
脂肪肝は、初期段階で生活改善すれば多くの場合、元に戻せます。
ただし、放置すると次のような進行が見られることもあります。
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STEP1
脂肪肝:MASLD
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STEP2
代謝異常関連脂肪肝炎MASH:炎症を伴う (旧 非アルコール性脂肪肝炎:NASH)
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STEP3
線維化(肝臓が硬くなる)
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STEP4
肝硬変・肝がん
つまり、脂肪肝は「治るうちに気づく」ことが非常に重要なのです。
健診でチェックしたい項目は?
以下の項目に注目してください。
【血液検査】
・AST
・ALT
・γ-GTP
・TG(中性脂肪)
【体組成計】
・BMI
【計測】
・腹囲

これらの数値が上昇している状態が続いていると、脂肪肝の可能性があります。
超音波検査で肝臓の状態を詳しく見ることも可能です。
忙しくてもできる予防と対策
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朝食を抜かず、できるだけ自炊を意識
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通勤時に一駅分歩いてみる
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水分をしっかりとる(甘い飲み物は控える)
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休肝日を週に2日作る
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睡眠をしっかりとる
完璧を目指す必要はありません。できることを少しずつ積み重ねるだけでも、肝臓は反応してくれます。

気になったら、まずはご相談ください。
脂肪肝は「早期発見・早期改善」が何よりも大切です。
当院では、肝臓ドックで詳しく検査ができます。
「脂肪肝ってどうすればいいの?」「数値が高くて不安」など、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。