コラム
手術をおすすめするのは、こんな方です
〜後悔のない治療選択のために〜
「手術は避けたい」
それは、多くの方にとって自然な思いです。
でも、“避けたい”と“必要ない”は、必ずしも同じではありません。
当院では、患者さんの希望を尊重しながらも、必要だと判断した場合は、手術をきちんとおすすめする立場をとっています。
今回は、「どんな方が手術を検討すべきか」をお伝えします。
以下のような方には、手術が有力な選択肢になります
- 1 関節の変形が進行し、骨と骨が直接ぶつかっている状態(X線で明らかな重度変形)
- 2 歩行や日常生活に大きな支障が出ている(階段や外出が困難)
- 3 夜間痛や安静時痛が強く、睡眠に影響がある
- 4 保存療法や再生医療を行っても、症状が改善しない
- 5 関節がぐらついて不安定になっている(動揺関節)
これらのケースでは、手術によって日常生活の質(QOL)を大きく回復できる可能性があります。
手術は「負け」ではありません
「もう手術しかないと言われた」
そんな言葉を“敗北宣言”のように受け取っている方も多く見かけます。
でも実際には、手術によって人生が大きく前向きに変わった方もたくさんいらっしゃいます。
- 1 痛みを気にせずに歩けるようになった
- 2 旅行や趣味を再開できた
- 3 介護の必要がなくなった
手術は「最後の手段」であると同時に、「新しい生活を始めるための再スタート」でもあるのです。
「手術が必要な方には、きちんとそう伝えます」
私たちは、再生医療や保存療法を扱うクリニックでありながら、「手術が必要な状態」を見極めることにこそ、専門性があると考えています。
再生医療で改善が見込めないと判断した場合は、速やかに信頼できる手術施設をご紹介し、連携しながら最適なタイミングでの治療選択を支援しています。
「今すぐ手術」かどうかも、しっかり見極めましょう
「将来的に手術は必要だけど、今すぐではない」
そんなケースも多くあります。
重要なのは、「その時が来たときに納得して選べる準備」をすること。
そのためにも、定期的な診察・画像評価・経過観察を通じて、“いまの自分に必要な治療”を一緒に確認していきましょう。
次回は「画像診断の見かた〜“すり減った”と言われたときに知っておきたいこと〜」を予定しています。