コラム
腫瘍マーカーとは? 第2部
前回に引き続き、今回も腫瘍マーカーのお話をさせていただきます。
第1部では「基礎知識編」をお送りしましたが、第2部である今回は「腫瘍マーカーの種類と男女別おすすめ検査」についてお話しします。

よく使われる腫瘍マーカーの種類
腫瘍マーカーには多くの種類がありますが、健康診断や人間ドックでよく用いられるのは以下のものです。
- CEA:大腸・胃など消化器系がん
- CA19-9:膵臓や胆道がんなど
- AFP:肝臓がん
- PSA:前立腺がん
- SCC抗原:子宮頸がんや肺がん
- CYFRA21-1:肺がん(特に扁平上皮がんや腺がん)
- CA125:卵巣がん、卵管がん、子宮がん、子宮内膜症など
- CA15-3:乳がん、他にも卵巣、子宮がんなど
それぞれのマーカーに特徴がありますが、単独ではがんを断定できないことを忘れてはいけません。
性別・年代別で変わるおすすめ検査
男性おすすめ
・PSA(前立腺がん):特に50歳以上の男性に推奨。前立腺がんは比較的多く、早期発見が重要。
・CEA、CA19-9(消化器系):中高年男性に多い胃、大腸、膵臓がんのリスク把握に役立つ。
・AFP(肝臓がん):肝炎や脂肪肝がある方は特に要注意。
女性おすすめ
・CA125(卵巣がん、子宮体がん):40歳以上や家族歴のある方に推奨。良性疾患でも上がるため注意。
・CA15-3(乳がん):マンモグラフィや乳腺エコーと組み合わせて受けるとより効果的。
・SCC抗原(子宮頸がん):婦人科健診の細胞診と併せると安心。
男女共通
・CEA、CA19-9(消化器系がん)
・CYFRA21-1(肺がん)
・AFP(肝臓がん)
健診で腫瘍マーカーを受ける意味
健診で腫瘍マーカーを追加すると、自分では気づきにくい体の変化を早めに知るきっかけになります。
特に、家族にがんの既往がある方、40歳以上でリスクが気になる方には有用です。
ただし、腫瘍マーカーは「がん=必ず高くなる」検査ではないという点が大切です。炎症や良性の病気でも上がることがありますし、逆にがんがあっても数値が上がらない場合もあります。
そのため、健康診断や人間ドックで行う場合は、画像検査などの他の検査とあわせて総合的に判断します。

第2部まとめ
腫瘍マーカーは性別や年齢、生活背景によって役立ち方が変わる検査です。
大切なのは「数値だけに一喜一憂せず、健康診断の結果全体で総合的に判断すること」です。
腫瘍マーカーを上手に活用し、自分に合った健診スタイルを見つけてください。
気になる方は、健診時に追加オプションとして相談してみてください。